20年以上前のこと、ソフトウエア業界で少々名を知られた古田某なる人物が監修する、新たなブログシステムが立ち上がった。他社との差別化のためか、そのブログは、食をテーマにした内容に限定するというものであった。たまたま仕事の上でその古田某氏とご縁があって、実は今度このようなことを始めるのですが、CHARADEさんも是非書きませんかと誘われたのである。
当時は、ブログを書くことが趣味、というより、新しくブログを作るのが趣味、みたいなところがあって、この時もホイホイ引き受け、新たなブログをスタートさせることになった。
この頃、自分はどんなテーマでも文章が書けるなどと思いあがっていたのだけれど、書き始めてみるとどうもうまくいかない。すごく書くのが難しいのである。
その難しかった理由を書こうとしたのだが、長くなり過ぎてうまくまとまらず、書いているうちに、今となってはどうでもいいことのように思えて来たので省略する。ただ、難しいからやめようではなく、では難しいなりになんとかこなしてみようじゃないかと割と燃えて取り組んだ。その結果、とても面白いものが書けたのだ。今回のことを機に、自分の文章力がまた一段上がったことを実感したものである。
と、まあ、その時の「実物」が今はなく、検証のしようがないので自画自賛するが、そう、記録がないのである。くだんのブログ自体は一年ほどでサービスをやめてしまったと記憶している。雨後の筍のごとく類似のサービスが乱立していた時代で、生き残るのは大変だったのだろう。それは良いのだが、書いたもののバックアップを取る機能がなかったのが、あったけれども自分がぼやぼやしているうちにサービスが終了して消えてしまったか、とにかく、その時書いたものの記録が全く残っていないのだ。
頼まれて始めたもので、自分が書きたくて始めたものではないから、どうでもいいや、という気持ちも、当時は少なからずあったと思う。しかし、時間が経つにつれ、その時書いたものが気になるようになってきた。その時、どういうことに気を付けて、どういう文章を書いたのか。ないものはないのだから、忘れるしかないのだが。
（2019/9/1 記）
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